Simple Westernによる総タンパク質ノーマライゼーション (TPN) の自動化
タンパク質の発現を測定する時、ハウスキーピングタンパク質の発現は実験条件によって変化する可能性があるため、総タンパク質ノーマライゼーション(Total Protein Normalization: TPN)はハウスキーピングタンパク質よりも信頼性が高いとされています。 しかし、TPNは多くの場合、時間のかかる面倒なゲル染色工程を追加しなければなりません。 Simple Western™テクノロジーでは、再現性の高いTPNとイムノアッセイをシームレスに統合します。 その結果は? サンプルが一貫したタンパク質量かどうかを素早く確認し、実験のセットアップやヒューマンエラーを特定、ターゲットタンパク質の発現を効果的にノーマライズして正確かつ一貫したデータを取得、結果に反映させます。
3通りの総タンパク質ノーマライゼーション方法
タンパク質ノーマライゼーション(PN)チャンネル
タンパク質ノーマライゼーション (PN)チャンネルによるTPNは、化学発光またはNIR蛍光またはIR蛍光検出のイムノアッセイによるターゲットタンパク質の検出と、独立した蛍光チャンネルを使い、同一キャピラリー内での総タンパク質検出を行います。
どのTPNアッセイが適していますか?*
| RePlexと化学発光検出1 | RePlexとNIR蛍光検出 | タンパク質ノーマライゼーション(PN)チャンネル | |
| 装置 | Jess, Abby, Leo | Jess | Jess |
| サンプル濃度 | 多様 | 0.5–2.5 mg/mL | 0.4–1.2 mg/mL |
| 分子量範囲 | 2–440 kDa | 12–440 kDa2 | 2–230 kDa |
| RePlex? | Yes | Yes | No |
| イムノアッセイ | 化学発光, NIR蛍光, IR蛍光 (RePlex Probe 1) | 化学発光, NIR蛍光, IR蛍光 (RePlex Probe 1) | 化学発光, NIR蛍光, IR蛍光 |
| 総タンパク質 | 化学発光 (RePlex Probe 2) | NIR (RePlex Probe 2) | PNチャンネル |
RePlexと化学発光検出
この方法は、様々な分子量範囲とサンプル濃度で検証されたため、TPNアッセイ開発の手始めとして推奨します。 RePlexと化学発光検出によるTPNでは、RePlexで化学発光または蛍光免疫アッセイ後に抗体を除去し、続いて総タンパク質を化学発光検出します。化学発光総タンパク質アッセイは、Coomassie や SYPRO Ruby 染色ゲルのように、ライセート中の全タンパク質を検出します。このアッセイでは、特定のターゲットに対する抗体の代わりに、サンプル中のすべてのタンパク質にビオチンが結合します。その後、Streptavidin-HRP および Luminol/Peroxideとの反応により、捕捉された全タンパク質に対して化学発光シグナルが生成されます。
| 対応装置 | Jess, Abby, Leo |
| サンプル濃度 | 多様 |
| 分子量範囲 | 2–440 kDa |
| RePlex適合? | Yes |
| マルチプレックスチャンネル | 化学発光, NIR蛍光, IR蛍光 (RePlex Probe 1) |
| Total protein detectionチャンネル | 化学発光 (RePlex Probe 2) |
| 必要な試薬 |
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RePlexとNIR蛍光検出
ターゲットタンパク質の発現量が低く、サンプルが高濃度になる時に推奨します。
RePlexと化学発光検出によるTPNと同様に、RePlexとNIR蛍光検出によるTPNは、サンプル中の全てのタンパク質にビオチンが結合します。キャピラリー内に捕捉された全タンパク質に対してStreptavidin-NIRとインキュベーションすることでNIR蛍光シグナルが生じます。RePlexとNIR蛍光検出によるTPNは、高濃度サンプル(0.5-2.5 mg/mL)で直線的で、低発現量のターゲットタンパク質を分析できます。 このプロトコールは、細胞ライセート、脳組織、筋骨格系組織ホモジネートで検証されています。 このプロトコールは、高濃度サンプル中で低発現量のターゲットタンパク質を測定するためのTPNアッセイや、アッセイのセットアップやデータ解析のヒントも含みます。
タンパク質ノーマライゼーション(PN)チャンネル
低・中分子量のターゲットタンパク質の時に推奨します。
タンパク質ノーマライゼーション(PN)チャンネルを用いたTPNは、化学発光または蛍光プローブを用いたイムノアッセイによるターゲットタンパク質の検出と、同一キャピラリー内での総タンパク質の検出を行います。 PN試薬をアッセイプレートにセットするだけで、後はJessが処理します。 PN試薬は、イムノアッセイと同じキャピラリーに固定化したタンパク質と、一級および二級アミン相互作用を介して結合します。
| 対応装置 | Jess |
| サンプル濃度 | 0.2–1.2 mg/mL |
| 分子量範囲 | 2–230 kDa range |
| RePlex?適合 | No |
| マルチプレクスチャンネル | 化学発光, IR蛍光, NIR蛍光 |
| Total protein detectionチャンネル | PN channel |
| 必要な試薬 | Protein Normalization Module |
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