シングルセルウェスタン
Milo™ は世界初のシングルセルウェスタン プラットフォームです。1回の泳動で数千個のシングルセルにおけるタンパク質発現測定を行えるため、サンプルの不均一性をプロファイリングできます。細胞懸濁液をセットするだけで、scWest チップが約1,000個のシングルセルを捕捉します。その後、Milo はチップ上で各シングルセルライセートを1分間と僅かな時間で SDS-PAGE にて分離します。その後、お好みの従来のウェスタンブロット抗体でプローブするだけで、様々なマルチプレックス戦略を用いて細胞あたり約12種類のタンパク質を測定できます。シングルセルウェスタンを用いることで、シングルセルプロテオーム解明が可能となり、他のどのシングルセル技術よりも多くのプロテオームを測定できます。
Miloを用いたシングルセルウェスタン
集団レベルでのタンパク質発現測定では、個々の細胞間における発現の有意な差や細胞サブポピュレーションの存在を見逃してしまうことがよくあります。Milo はシングルセルにおける解像度とウェスタンブロッティングの能力と汎用性を兼ね備えています。標的細胞における発現の異質性を特定し、従来のウェスタンブロッティングでは観察できない細胞サブポピュレーションを可視化、またリン酸化フロー研究を簡素化したり、シングルセルRNA-seqデータをタンパク質レベルで検証することができます。
複雑なサンプルの異質性をプロファイリングする必要があります
Milo は 4 時間の実験で約1,000個のシングルセルにおけるタンパク質発現を測定するため、ターゲット発現の異質性とサンプル内のターゲット陽性細胞の割合を定量化できます。
シングルセルRNA-seqデータのタンパク質検証が必要です
従来のウェスタンブロット抗体を用いて、シングルセル RNA-seq データをシングルセル タンパク質データで検証できます。さらに、scWest チップは使用後最大9ヶ月間保存できるため、目的のターゲットをプローブする前に、十分な時間でシーケンス結果を得ることができます。
シングルセルレベルで複数のタンパク質を検出するには多重化が必要です
蛍光波長スペクトルと分子量に基づいたマルチプレックス戦略を用いて、サンプル中の12種類以上のタンパク質を単一細胞レベルで同時に検出します。scWest チップは最大9回までストリップ&リプローブを行えるため、より高度なマルチプレックス研究も可能です!
リン酸化フロー シグナル伝達研究を簡素化する必要がある
フローサイトメトリー/FACS の固定および透過化ステップが不要になります!Milo はscWest チップに捕捉された細胞を分析前に化学的に溶解することで、フローサイトメトリーよりも容易に細胞内および核内コンパートメントにアクセスします。細胞を溶解することで、Milo は転写因子やメチル化ヒストンといった検出困難なタンパク質も検出できます。また、Milo での分子量分離を使用することで、リン酸化特異的抗体で多く見られ、フローサイトメトリーでは分離できない非特異的結合を分離することも可能です。
フローサイトメトリーに適した抗体が無いタンパク質を検出する必要があります
Milo はオープンプラットフォームなので、フローサイトメトリー/FACS カタログの10~100倍にも及ぶ、市販のウェスタンブロッティング用抗体の膨大なカタログを利用できます。目的の標的に対するフローサイトメトリー抗体が見つからないという状況に、もう悩まされることはありません。
タンパク質アイソフォームの異質性を測定したい
Milo の分子量分離は、分子量の異なるタンパク質アイソフォームを分離できるため、サンプル中の細胞が1つのアイソフォーム、もう1つのアイソフォーム、または両方のアイソフォームを発現しているかを測定できます。フローサイトメーターと合わせてお試しください!
低効率遺伝子編集システムにおける遺伝子編集の効率や効果を測定する必要がある
Milo は低効率システムであっても、サンプル中の挿入遺伝子を発現する細胞の割合を定量化できます。さらに、編集された遺伝子と下流効果マーカーを同時に測定することで、編集された細胞に対する遺伝子の影響を理解することができます。
少量サンプル中のタンパク質発現を測定する必要がある
Milo は約1万個のシングルセルを含むサンプルも解析できるため、タンパク質発現解析のために数百万個もの細胞を収集する必要がなくなりました。捕捉される細胞数はロードする細胞数に応じて変化するため、より低濃度のサンプルも解析可能です。またMiloは、他の手法では解析できないほど細胞数が少ない、FACS で選別された高濃度細胞集団の特性評価も可能です。
引用論文/ユーザー様の声
Milo が関連する引用論文
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シングルセルウェスタンに関するユーザー様の声
「私はあるタンパク質における2つの異なるアイソフォームを観察していましたが、細胞がどちらか一方だけを発現しているのか、それとも特定の細胞で両方を発現しているのかを知ることが重要でした。Milo が登場するまで、これは難しい問題でした。Milo のおかげで、組織生検でこのタンパク質の発現を調べることができるようになり、より関連性の高い情報も得られるようになりました。」
Prashant Gets a Better Picture of Taxane Resistance at the Single-Cell Level with Milo
Prashant Vijay Thakkar, Ph.D., Postdoctoral associate, Department of Medicine, Weill Cornell Medicine
「Milo はシングルセルレベルでのタンパク質の研究を可能にし、集団内における転移細胞間の異質性を理解するのに役立ちます。」
Dr. Zhong & Colleagues Understand Heterogeneity in Metastatic Cell Populations with Milo
Yi Zhong, M.D., Ph.D., Research Associate, Memorial Sloan Kettering Cancer Center
「私たちは Milo をシングルセル リアルタイム qPCR データと組み合わせてきました。RNA は取得済みで、転写産物が存在することも分かっています。Milo を用いて結果を確認し、個々の細胞に含まれるタンパク質の量を定量化しました。」
Guts and Glory: Validating a Neuroepithelial Circuit using Milo
M. Maya Kaelberer, Ph.D., Postdoctoral Associate, Duke University School of Medicine
「Milo は従来のウェスタンブロッティングで不可能だった、精製された腸の幹細胞集団におけるシングルセルでのタンパク質発現の異質性のレベルを観察できました。」
Milo Goes Keto: Conquering Analysis of Scarce Intestinal Stem Cell Populations
Chia-Wei Cheng, Ph.D., Postdoctoral Fellow, Koch Institute for Integrative Cancer Research, MIT
ガンおよび免疫腫瘍学
次世代のウェスタンブロッティングツールを活用してサンプルをより詳細に観察することで、ガンおよび免疫腫瘍学の研究を変革します。
SARS-CoV-2
自動化されたシンプルウェスタン システムでラボにおける測定時間を短縮し、COVID-19 研究を加速させましょう。セットアップから出発、そしてリモートでのデータ確認まで、わずか3時間で完了します!
Solutions for SARS-CoV-2 Research
細胞および遺伝子治療
細胞および遺伝子治療のワークフローの改善と加速を支援する次世代分析機器。
標的タンパク質分解
定量分析にハイスループットでハンズフリーのシンプルウェスタン システムを使用し、スクリーニング研究を強化します。
SARS-CoV-2 の血清学
3時間の測定で、5つの主要なウイルス抗原に対する血清または血漿中のヒト IgG 抗体の反応性を定量的に評価します。
エクソソーム
エクソソーム分離および高感度ウェスタンブロッティング ソリューションのリーダーによる、細胞外小胞サンプルのタンパク質分析のための検証済みワークフロー。
| 特徴 | 記載情報 |
|---|---|
| システム要件および互換性 | |
| サンプルタイプ | >10,000 細胞を含む細胞懸濁液 |
| 細胞の直径 | 懸濁液中において7-25 µm |
| 細胞の種類 | 哺乳類細胞; 懸濁液および未固定状態では球状 |
| 抗体における要求 | 標準的な非標識一次抗体と蛍光標識二次抗体 |
| 必要なその他の機器 | 5 µm の解像度が可能なオープンフォーマットの蛍光マイクロアレイスキャナー |
| 性能と仕様 | |
| 典型的な細胞希釈度 | scWest チップ 1枚あたり1,000~2,000個の細胞の収量捕捉と分析 |
| 分子量の幅 | 15-175 kDa |
| 分子量の解像度 | 異なる蛍光波長では10% の差があり、同じ蛍光波長では30% の差がある。 |
| 典型的なターゲットマルチプレックス | 蛍光波長と分子量に基づくマルチプレックスにより、細胞あたり最大4つのタンパク質を検出可能。ストリッピングとリプロービングにより、細胞あたり12以上のタンパク質を検出可能。 |
| 測定時間 | 4-6時間 |
Milo についての製品資料
Bio-Techne.comでの日本語ページをご覧ください